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エコラム

2020東京オリンピック・パラリンピックと水環境2015.01.28 UP


(写真1)羽田沖の潮干狩り


(写真2)葛西海浜公園西なぎさで育つアサクサノリ
出典:認定NPO法人ふるさと東京を考える実行委員会


(図1)渋谷駅再開発;渋谷川沿い店舗の賑わいイメージ
出典:東急電鉄

年が明けて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまであと5年となりました。エコラムでは以前に2020年東京オリンピック・パラリンピックとエコと題して、東京オリンピックにおける環境面の対策などをご紹介しましたが、今回はその中でも「東京の水環境」について取り上げます。

今回のオリンピックの特徴は、東京湾岸のウォーターフロントが主要会場になっていることです。メディアセンターや選手村といった大会の主要施設が立地するだけでなく、東京湾そのものを利用する競技も予定されており、東京湾の水質改善が求められています。

「江戸前」という言葉があるように、東京湾はかつて魚介類が豊富に獲れる海でした。それが沿岸地域・流入河川の流域における都市化(干潟・藻場の埋め立て等)・工業化の進展に伴い水質が悪化し、1970年代には「死の海」とも呼ばれるほどになってしまいました。そのため、法規制による改善や住民の浄化活動が行われ、近年では潮干狩りを楽しむことができるようになりました。葛西海浜公園では、2013年から夏期の土日限定で海水浴体験ができるそうです。とはいっても、オリンピックの開催される夏は赤潮の発生など水質が悪化する時期でもあり、短期的・中長期的に水質改善対策の実施が求められています。

東京の水環境と言えば、河川や水路といった水辺空間についても対策が検討されています。江戸時代には物流に利用されていたため、街中に水路が張り巡らされていました。しかし関東大震災や戦災のがれきによる埋め立て、高度経済成長期・前回の東京オリンピックにおける暗渠化により、水路そのものが見えなくなったり、またその水路の上に首都高速道路が建設されるなど、景観を損なうような開発が進みました。数寄屋橋が撤去されたり、日本の国道の起点となる日本橋も首都高に覆われてしまったり、と前回大会の弊害が浮き彫りになっています。これらの問題については、民間や住民側でリードするケースも見られ、渋谷駅の再開発では渋谷川の流れを変えながら水面を地上に復活させる工事が始まっています。

この他、マラソンなどの多数の競技が予定されている皇居外苑濠(内濠)・外濠周辺も歴史ある水辺空間ですが、今は悪臭や景観面での悪影響が生じています。海外からの多くの観光客を受け入れ、東京湾や御濠周辺で行われる競技大会の成功のためにも、東京都市圏の「水」に係わる課題の解決に向けて努力する必要があり、これをきっかけとして、都市全体の良好な水環境の実現に向けた取組を加速させることも必要、と環境省は説明してます。きれいな水辺空間に接することができる環境が待ち望まれます

(出典)環境省報道発表資料「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会を契機とした環境配慮の推進について」